会員紹介


 



栗山オオムラサキの会
[012] 2006.07UP

 青紫色の美しい羽を持ち、日本の国蝶にも定められているオオムラサキが、栗山町の御大師山(おだいしやま)で発見されたのは1985年の夏のことでした。その後の研究で、栗山町はオオムラサキ生息の北東限地域であることが明らかになりました。このオオムラサキ生息地を、開発から守るために結成されたのが「栗山オオムラサキの会」。2006年3月現在会員数は26名です。

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 オオムラサキは、幼虫の時期にエゾエノキに住みつき、葉を食べて成長します。そこで、苗木を地域の家族に2〜3年間育ててもらった後で植樹する「エゾエノキの里親制度」というユニークな方法を採用。これまでに延べ170家族が里親になり、500本のエゾエノキが植えられました。また、生態系のシステムを守るという観点から、雑木林の保護・育成にも取り組んでいます。これには、子どもたちが触れあえる生きものの体系を存続させる狙いもあります。

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 地域との交流を大切にする同会は、地元講師を招き自然・歴史・文化等を学び、話し合う「ふれあいトーク」を開催しています。現在までに54回を数え参加者が100名程になることもあるそうです。「こだわりは講師を地元の人にお願いすること。自分の会だけでなく、周囲に呼びかけを行ってシェアを広げ、共に力をあわせて取り組むことが、活動を続ける秘訣です」と、事務局長の高橋さんはいいます。

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  栗山町は1988年に「蝶と緑の里プロジェクト」という長期計画を策定し、翌年には環境庁(当時)の「ふるさといきものの里」の指定を受けました。各団体が連携を取り、町を流れるハサンベツ川一帯に里山を再生するプロジェクトや、夕張川全体を見通して山から海までの水の循環のなかで人間が切断した区域をつなぐプロジェクトに取り組んでいます。高橋さんは「開発か保護かではなく、守るものは守る、復元するものは復元する、という考えで活動することが大切。今後はオオムラサキだけでなく、人や生き物が共に暮らせる里づくりをしていきたい」と話してくれました。


事務局の高橋さん




オオムラサキの希少性を
知ってもらうため絵本を刊行



団体データ

●名称
栗山オオムラサキの会
●主な活動歴  
●会員数 会員約26名(2006.3現在)
●所在地・
 連絡先
●連絡先<事務局>
〒069-1512 夕張郡栗山町松風4丁目10-10(高橋慎) 
TEL・FAX.0123-72-0399
●ホームページ  
●e-mail  

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